毎日の食卓に欠かせないものだからこそ、あらためて外食で「味噌汁」を主役に味わう機会は、意外と少ないのではないでしょうか。
今回訪れたのは、「拘りの味噌汁と羽釜ごはん 佳照庵(かしょうあん)」。
こだわりの味噌汁に、羽釜で炊いたごはん、丁寧に作られたおばんざいを組み合わせた和食を楽しめるお店です。ランチタイムに訪れ、人気の「竹」をいただいてきました。
秋葉原、新御徒町、末広町から歩いて行ける「佳照庵」
佳照庵があるのは、東京都台東区台東2丁目。JR秋葉原駅からは徒歩約10分で、末広町駅や新御徒町駅からも徒歩圏内です。
大通りから少し入った場所にあり、周辺を歩いていると現れるのが、赤茶色のレンガ調の建物。その1階に佳照庵があります。
お店の前には白い暖簾がかかり、そこに書かれた「佳照庵」の文字が目印です。さらに「味噌汁定食」と大きく書かれた旗もあり、初めて訪れる人にも分かりやすい外観です。
「味噌汁専門店」と聞くと、カジュアルな定食屋さんを想像するかもしれません。しかし、外から眺める佳照庵はどこか小料理屋のよう。木を取り入れた入口や白い暖簾からも、落ち着いた和の雰囲気が感じられます。
木のぬくもりを感じる、ほっと落ち着ける店内

店内は外観から感じた印象そのままの、温かみのある空間が広がります。
白を基調とした壁に、木製のカウンターやテーブル、障子風の建具。天井から下がる柔らかな形の照明も印象的で、昔ながらの和の雰囲気と現代的な居心地の良さがうまく組み合わされています。
席はカウンター6席とテーブル14席の全20席。一人でふらっとランチを楽しみたいときはもちろん、友人や家族との食事にも利用しやすそうです。

カウンターの向こうには厨房が見え、お店の方が料理を用意する様子を感じられるのもいいところ。今回座ったテーブル席も木を基調としていて、料理が並ぶとまるで家の食卓を少し上品にしたような安心感があります。

慌ただしく食事を済ませるというより、「きちんと作られたごはんをゆっくり食べたい」。そんな日に立ち寄りたくなる空間です。
味噌汁を選ぶ楽しさも。ランチは「竹」をチョイス

今回、ランチメニューの「竹」を選びました。
訪問時の「竹」は、1,600円(税込)。選べるおかずに、おばんざい、羽釜ごはん、漬物、そして主役となる味噌汁がセットになっています。
選べるおかずには、鶏もも肉の唐揚げや鯖の塩焼き、鮭の塩焼きなどが並んでいました。
そして、さすがは味噌汁専門店。味噌汁も一種類ではありません。訪問時には「鮭とトマトの白味噌汁」「特製豚汁」「数量限定味噌汁」から選ぶことができました。
一人は鶏もも肉の唐揚げと特製豚汁、もう一人は鯖の塩焼きと、数量限定のだし巻き卵と岩のりの味噌汁を注文。
同じ「竹」でもメインのおかずと味噌汁を変えれば、まったく違う定食を楽しめるのが面白いところです。
料理が運ばれてくると、小さな器に盛られたおばんざいが並び、見た目も華やか。一品一品を「次はどれを食べよう」と考えながらいただく時間も、このランチの楽しみの一つでした。
大きなお椀の味噌汁と、つやつやの羽釜ごはんを実食!
まず印象に残ったのが、やはり味噌汁です。
特製豚汁は、豚肉、人参、ねぎ、玉ねぎに加えて、ニラやじゃがいもなど具材がたっぷり。豚汁というと濃厚で少し重ためのものもありますが、こちらは味が濃すぎず、油っぽさも控えめです。
じゃがいもが入っていても汁がどろっとせず、最後までするすると飲める味わい。大きなお椀ですが、気づけば自然と飲み進めてしまいます。
もう一つ選んだのは、だし巻き卵と岩のりの味噌汁。

家庭ではなかなか思いつかない組み合わせで、まさに専門店だからこそ味わえる一杯です。ふんわりとした卵と岩のりが入り、味噌汁というよりも一品の料理をいただいているような満足感。お椀も大きく、味噌汁だけでも立派なおかずになります。

選べるおかずの鶏もも肉の唐揚げは、外側が香ばしく、中はジューシー。カリカリというより、肉の柔らかさを楽しめる唐揚げです。レモンとリンゴ酢が添えられているので、途中で加えると後味がさっぱりと変化します。

鯖の塩焼きも、皮はパリッと香ばしく、身は肉厚。ほどよく脂がのっていながら重さはなく、そのままでも十分おいしくいただけました。
脇を固めるおばんざいも、それぞれ丁寧です。
かぼちゃの煮付けは、かぼちゃ本来のやさしい甘みが感じられる、ほっとする味。上に添えられた麩にも煮汁が染みています。
ふろふき大根は箸を入れるとすっと切れるほど柔らかく、上にのせられた味噌との相性も抜群。春雨はつるっと食べやすく、さっぱりとした味付けです。
きゅうりの酢の物はやや厚めに切られていて、心地よい食感があります。きゅうりが少し苦手な人でも食べられたというほど青臭さが控えめで、料理の合間の箸休めにもぴったりでした。
そして、忘れてはいけないのが羽釜で炊いたごはん。
一粒一粒につやがあり、ふっくらとした炊き上がり。噛むほどにお米の甘みを感じます。
普段、自宅では時間を優先して早炊きすることも多いもの。だからこそ、時間をかけて丁寧に炊かれたごはんのおいしさをあらためて実感します。
一人は思わず2杯いただいたそう。それでも重たく感じなかったというほど、味噌汁やおばんざいとのバランスもよい定食でした。
夜はおばんざいとお酒を。日常から少し離れて丁寧な食事を
佳照庵の楽しみ方は、ランチだけではありません。
夜になると、おばんざいや一品料理とお酒を楽しめる居酒屋スタイルに変わります。鯖の塩焼きや出汁巻き卵、煮物などの和食に加え、日本酒や焼酎、果実酒なども用意されています。訪問時のメニューには90分の飲み放題もあり、店内は貸切にも対応。少人数での食事はもちろん、飲み会などにも使えそうです。

そして最後に、今回の食事でもっとも印象に残ったのは、「味噌汁がおいしかった」ということだけではありませんでした。
目の前には、丁寧に炊かれたごはん。ひとつずつ小さな器に盛られたおばんざい。そして、湯気の立つ大きなお椀の味噌汁。
さらに、お店の方の心のこもった接客も加わり、自然と食事の時間そのものをゆっくり楽しみたくなります。
忙しい日が続くと、食事もつい「済ませるもの」になりがちです。
そんな日常の中で、きちんと作られた料理を一品ずつ味わう時間をつくってくれる佳照庵。
「今日は温かいごはんをゆっくり食べたいな」
そんな日に、ふと思い出したくなる一軒です。また違う味噌汁を選びに、訪れてみたくなりました。
拘りの味噌汁と羽釜ごはん 佳照庵(かしょうあん)
住所:東京都台東区台東2-3-7 日興パレス秋葉原101
アクセス:JRほか各線「秋葉原駅」から徒歩約10分
営業時間:11:30~14:30(L.O.14:00)、17:00~22:00(L.O.21:30)
定休日:日曜日・祝日・不定休
※価格やメニュー内容は訪問時のものです。詳細はお店にお問い合わせください。





















