インバウンドの街・浅草で見つけた、日本人のための“和×イタリアン”隠れ家レストラン

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観光名所・浅草寺の周辺は、いまや世界中からの観光客であふれかえる人気スポット。雷門や仲見世通りでは、日本の伝統文化やお土産を求める外国人の姿が絶えません。それに伴って、周辺には外国人観光客をターゲットにしたレストランやカフェも増加の一途をたどっています。英語・中国語・韓国語のメニューを揃え、和食や焼肉、寿司を提供するお店が所狭しと並ぶ様子は、まさに“インバウンドの街”といった印象です。

そんな中で、あえて「日本人の感性」に寄り添ったレストランがあると聞き、興味をそそられました。その名も「LaVASARA別邸」。Googleマップの口コミ数は13,000件以上、しかも評価は驚異の★4.7(2025年7月時点)。この数字に惹かれ、浅草散策のついでに足を運んでみることにしました。


浅草の喧騒を抜けて現れる、静寂の隠れ家「LaVASARA別邸」

浅草寺の正面から歩くこと約3分。賑やかな参道を一本脇にそれた路地に足を踏み入れると、街の喧騒が一気に遠のいたような静けさが漂います。そこに現れるのが「LaVASARA別邸」。緑が生い茂る小さな前庭には、木のぬくもりと石の落ち着きが共存しており、その奥にある建物は、まるで時間が止まったかのような趣です。

築60年の町家を改装したという外観は、どこか懐かしく、それでいて洗練された佇まい。竹垣が目隠しとなっていて、外から中の様子はほとんど見えません。初めて訪れる方は「本当にここがレストラン?」と戸惑うかもしれませんが、それもまた“隠れ家”の魅力のひとつ。

この日は平日のお昼前にもかかわらず、すでに店の前には10人以上の行列。口コミで広がる人気店らしく、予約なしでの来店はタイミング次第といった様子です。


古民家の温もりとイタリアンの粋が融合する、和モダン空間

玄関の引き戸を開けると、柔らかな灯りと木の香りがふわりと迎えてくれます。古い梁を活かした吹き抜けの天井には、間接照明が巧みに仕込まれていて、昼間は自然光が差し込み、夜は琥珀色の光が店内をやさしく包みます。

店内は右手にカウンター席、左手にテーブル席というレイアウト。さらに奥には坪庭に面した小さな空間があり、私たちはそこに案内されました。木製のテーブルに映る陽光がとても美しく、まるで自然と一体になっているような感覚。BGMには三味線ジャズのような和楽器アレンジが流れていて、古民家の情緒とイタリアンのモダンさを見事に融合させた空間です。


見た目も味も満足の“和×イタリアン”な絶品ランチ

メニューは写真付きで見やすく、パスタやピザを中心に、前菜(アンティパスト)やデザートが並びます。和の要素を取り入れた創作メニューもあり、どれにしようか迷ってしまうほど。今回は3人で訪れ、それぞれ違うメニューをオーダーしました。

まず私が注文したのは定番のマルゲリータピザ。薄すぎず厚すぎない絶妙な生地は、焼きたてならではの香ばしさともちもち感が際立っています。一口かじると、チーズのコク、トマトソースの酸味、そして小麦の甘みが一体となり、まるでナポリに瞬間移動したかのよう。カマンベールチーズがとてもフレッシュで、濃厚なのに重たくない。不思議なバランス感覚です。

続いて友人が頼んだのは、ベーコンのカルボナーラ。見た目はシンプルながら、お皿の縁に粉チーズとブラックペッパーがさりげなくあしらわれていて、視覚的にも楽しめます。一口もらってみたところ、驚くほどクリーミー。ドロリと濃厚なクリームソースがパスタによく絡み、ベーコンの塩気とチーズのコクが口いっぱいに広がります。ブラックペッパーが効いていて、飽きのこない味わい。まさに“定番の完成形”と呼びたくなる一皿です。

さらに別の友人が選んだのは、南高梅と有明海苔のクリームパスタ。この組み合わせは他ではなかなかお目にかかれないでしょう。たっぷりの海苔がトッピングされ、大ぶりのエビが贅沢に添えられています。見た目はクリーム感たっぷりですが、食べてみるとほんのりとした梅の香りが後味に残り、爽やかさを感じさせてくれます。酸味は控えめで、梅が苦手な方でも食べやすい仕上がり。海苔の香ばしさとクリームソースの相性も抜群で、驚くほど調和のとれた一皿でした。


食事だけじゃない、心まで満たされる時間

料理そのものの美味しさはもちろんのこと、接客の丁寧さも印象的でした。スタッフの方はみなさん物腰が柔らかく、料理の説明も的確。カジュアルな雰囲気ながらも、おもてなしの心が随所に感じられ、「また来たい」と自然に思えるお店です。

さらに、トイレや通路など細かいところまで清掃が行き届いており、どこにいても心地よい時間が流れているのが分かります。まるで自分の家に招かれたような温かさがある、そんな空間でした。


観光地・浅草で“日常を忘れる”時間を味わうならここ

浅草というと、「観光地」「人が多い」「騒がしい」というイメージを抱く方も多いかもしれません。けれども、LaVASARA別邸はそんな浅草の印象をいい意味で裏切ってくれる場所です。静かで、上品で、でも気取らずにいられる。そして何より、料理の美味しさと空間の美しさが同居する希有なお店。

浅草寺から徒歩数分という立地の良さも魅力。浅草観光の合間に、少し足を伸ばしてこの隠れ家で過ごす時間は、きっと旅の思い出の中でも特別なひとときになるはずです。

観光の食事に迷ったら、ぜひLaVASARA別邸へ。和とイタリアンの美しい融合を、ぜひあなたの五感で味わってみてください。


LaVASARA 別邸

住所:東京都台東区浅草2-2-13
アクセス:東武伊勢崎線、東京メトロ銀座線、都営地下鉄浅草線 「浅草駅」より徒歩3分
電話番号:03-6231-7225
営業時間:月~日、祝日、祝前日: 11:30~23:00 (料理L.O. 22:00 ドリンクL.O. 22:00)
定休日:なし

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。
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